001 Mix3 & スプーン 〜インスタントコーヒー好きのなごり
さてくまコレ記念すべき第一回は…
なんと空き瓶とさじだった。


今となっては、まったく口にすることもないけれど、その昔くまやすは相当なインスタントコーヒー好きだった。 時代はバブル後期、まだ勤め人で一人暮らしをしていた頃、会社でも敏腕コーヒー担としてあらゆるインスタントコーヒーを発掘・提供し続けたものだ。 時流としてはAGFの全盛期にあり、「炭焼珈琲」の斬新なパッケージに驚き、初代「エスプレッソ」の見事な泡立ちにみな驚喜した…そんな時代だった。 ただ、不思議なことにAGFの旗艦、最上級千年珈琲を謳った「AGF Grandage」だけははっきり言ってまずかった。ところが、ことごとく時代遅れの焦げた味を提供し続けていたネスレの最上級グレード、あのロマノフ王朝系の貴族も飲んでいるという(←CM(^^;)「President」だけは逆にバランスの取れた良い味だったのを覚えている。

さて前置きが長くなったが、そんな折にである、AGFがインスタントコーヒー史に輝く超コンセプチュアルな商品を開発したのは!
その名は
「Mix3(ミックススリー)」(1991年)
パッケージには以下のように記されている。


自分でブレンドする、初めてのコーヒー。
コーヒー豆は種類によって、さまざまな味わいがあります。AGFは自分でブレンドするコーヒーのために新開発のドリップ法を採用。それぞれの生豆の個性をていねいに抽出しました。お好みや気分に合わせて、いつもいちばんおいしいブレンドをお楽しみください。 』


もうおわかりでしょうか?この商品が一つのビンでは成立しないことを…
そのパッケージはこんな凝ったものだったのです。








いやいや、当然中身はありません。 ブレンドというだけあって計量スプーンまでセットされている念の入れように、くまやすはくらくら来ました。
…バラシ画像↓もご覧下さい。

部品点数はかなりのものになりますね。
さて、このコーヒーの「システム」ですが、私が説明するよりも瓶の記載を転記する方が良いでしょう。


3つの豆の特徴
<モカ>フルーティでまろやかな酸味。
<グアテマラ> フローラルですっきりしたにが味。
<マンデリン>ナッツのような香ばしい深み。


おすすめブレンド
●朝・マイルドブレンド
モカ1+グアテマラ1+マンデリン1
●午後・香りブレンド
モカ2+マンデリン1
●夜・コクブレンド
グアテマラ1+マンデリン2

▼パッケージに付いているスプーンで計ってください。
カップ1杯(140cc)にスプーンで合計3杯(1.8g)が適量です。スプーンは洗った後、湿気をよく拭き取ってお使い下さい。』


あれですな。
モカを酸味と評していることろなんぞ本当のモカを知らんな? という気がしますが…。 このコーヒーの欠点はばら売りしていないこと。
くまやすはマンデリン、グアテマラが好きで、結果モカが剰ってしまう。そして最後はいつも嫌いなモカ(注:本物のモカは好きですよ!)を一気飲みする羽目に。
ま、なにはともあれ小市民的にささやかなお遊びができたのもバブルならではの時代性と考えるべきかな。 ナンセンスを知ることがセンス持ちへの近道ということにしておこう。

あともう一つ
同じ頃、手になじんで離せないものがありました。

インスタントコーヒー専用メジャースプーン

おそらく真鍮にニッケルシルバーメッキ仕様、景品ではなくスーパーのコーヒー売り場にぶら下がって売られていた。どこかの町工場の製品だと思う。

これ一杯でカップ一杯。深い瓶の底まで届くし、指先でくるっとひねってカップに落とす感じが実に具合良かった。 柄の端が曲がって玉が付いているのは下図の様にコーヒー瓶のフタに引っかけておくための工夫。
(コーヒーの瓶がなかったのでのりの筒で勘弁)

これ以来くまやすは「(プチ)メジャースプーンコレクタ」への道を歩むことになりました。(集めても使い道がないので現在は停止しています)
バブルがはじけてこの方、このスプーンが売られている現場には一度も出会っていない…。



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