005 「すばおさん」…と呼んでたクルマ 〜SUBARU
360 |
くまやすが手に入れたモデルは昭和43年式(ボンネット先端の「ひげ」が無いタイプ)で、最終モデルに近いものだった。 当時、某自動車会社に就職したくまやすは群馬の社員寮に暮らしていた。 社員寮に止めてよいのはなぜか(笑)スバルの車だけだったので、初任給前の貧乏貯金で買える車を求めて中古車屋を回った。 こいつに決めた。 名前も決めた。 →「すばおさん」 ホンマに乗った人にしか分からないと言うほど、このクルマの乗り心地は独特で、これと同じ感覚が得られるクルマには未だ出会ったことがない。 同乗した友人の話ではポルシェ911がこれに近いと言っていたが。 なんというか、乗ってるのではなく一緒に走っているというか、自分がクルマになっちゃったというか。 ま、機会があれば是非試されたい。 ところで「すばおさん」に乗っていて得することと、困ったことを上げておこう。 じつは私、クルマとは決してすり減って無くなってしまうものでは無いと信じていた。 実際には実によくすり減った。 スキーが大好きだったのでひとりでよく志賀高原まで(素通りされる草津、万座・鹿沢、菅平の立場はどうなる!)出かけたり、屋根付きの駐車場を用意できなかったり、クルマにとっては過酷な飼い主であったと思う。 とにかく年中修理をしていた記憶がある。 そしてついにその時がきた。 車検を受けるために整備工場に預けたところ車台・車体ともに限界状態であるとのこと。 車検を通すためには巨費を投じてオーバーホールをしなければならない。 屋根付きの駐車場すら用意できない私にはそもそも「すばおさん」を飼い続ける甲斐性など無いのかも知れないと思った。 せめて仲間がいっぱいいるところに連れて行こう。 近江八幡にある三陽自工というスバル360専門のガレージにお願いして引き取っていただくことにした。 「すばおさん」との最後の旅は、あちこち回り道しながら、思い切り時間をかけて走った。 「すまん。BIGになったら真っ先に迎えにいくからな。」 …いまだBIGにはなっていない… |
ご存じの方も多いと思うが、富士重工の前身は中島飛行機といい、戦時中には航空機を開発製造していた。 戦後の企業解体で平和産業転換への取り組みが行われ、航空機の技術を活かしたバスボディの生産をはじめ電機部品、小型エンジンなど様々な試みがなされた。 そのような状況下、スバル360を世に出すまでの同社の看板商品は「ラビット」というスクーターであった。 そして、くまやすが「すばおさん」に出会う4年以上も前に、まうご犬は既に「らびこさん」を手に入れていたのである。 「らびこさん」とは昭和41年式S301B型 123ccのラビットスクーターの飼い主的愛称である。 ボディ全体が鉄板でできているのでとても重いが、適切にシフトすれば結構キビキビと走ってくれる …かな?。
●●● ●●● ●●● ●●● ●●● ●●● ●●● ●●● ●●●
|
|