コンサイスコンポ (Micro Series)

1978年、テクニクスより小型本格システム・コンポーネント・ステレオセットが発売される。「コンサイスコンポ」である。 各コンポーネントが当時のコンサイス辞典の大きさ(A4サイズ)になぞらえた大きさで作られていたのでこう命名された。

大きさとステータスというそれまでのオーディオの価値観を覆したこのシステムは、多くの支持を集め、他のオーディオメーカーから多くの触発製品が生み出されるきっかけともなった。

今日のミニコンポの元祖にあたるこれらの製品たちだが、今と決定的に違うのは皆オーディオメーカーとしての意地をかけていた点であろう。 そんな姿勢が製品をより魅力的なものにしていると思う。

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当時のシステムコンポは、ほとんどが単体販売することを前提に作られており、「コンサイスコンポ」もまた同じコンセプトで作られたユニットの集合体に付けられた名前である。そのためどのユニットにも「コンサイス」の文字は見あたらない。

システムの核になるのはパワー・プリの各アンプとチューナーの3つのユニット(SE-C01 ,SU-C01 ,ST-C01)である。 これに ミニスピーカーシステムSB-F1,F2,F3(アルミダイキャストエンクロージャの画期的なブックシェルフタイプ)およびフルオートDDアナログプレーヤSL-10(全ての機能をLPジャケットサイズに収めたリニアトラッキングプレーヤ)といった革新的な製品と組み合わされて完成型となる。

驚くべきはこれらのコンポーネントのどれもが、新しい考え方に基づく画期的な性能と新しいカタチを持っていたことだ。 これらは間違いなく当時の最高水準のプロダクトデザインであり、技術・感性ともに世界に誇れるジャパンオリジナルであることを確信する。


コンサイスコンポの中核部分

(上から)パルス電源搭載DCパワーアンプSE-C01
MCヘッドアンプ搭載プリアンプSU-C01
FM/AM チューナーST-C01

コンサイスシリーズはこれ以後いくつかのバリエーションが作られたが、最後までこの初代の美しさを越えることはなかった。

品のある稜線を持つダイキャスト製のケースに見事に配置されたつまみ類とレタリング。 つまみの面取り、ミゾの大きさそして積み重ねられた時の隙間にいたるまで全て高度に計算された造作でまとめられている。
ここには日本の美的感覚に則した端正な調和が存在している。

桐の衣装箪笥を思わせる49mmの薄型ユニット。横に並べると結構な面積になるが、上面には性能グラフなどが美しく印刷されている。

パワーアンプSE-C01:●実効出力42W+42W (streo/8Ω),80W (mono/8Ω)●全高調波歪率0.02%●出力帯域幅5Hz〜40kHz●SN比110dB●電源・消費電力AC100V(50/60Hz)・90W●外形寸法・重量297(w)x49(H)x250(D)mm・3.5kg●標準価格\65,000
プリアンプSU-C01:●入力セレクタ:phonoMC, phonoMM, tuner, aux, tape out/in●電源・消費電力AC100V(50/60Hz)・8W●外形寸法・重量297(w)x49(H)x241(D)mm・3.0kg ●標準価格\50,000

FM/AMチューナーST-C01:●受信周波数FM:76〜90MHz, AM:525〜1605kHz●出力0.5V●電源・消費電力AC100V(50/60Hz)・8W●外形寸法・重量297(w)x49(H)x255(D)mm・2.9kg ●標準価格\35,000

背面にある各端子は全て金メッキが施されている。が、その割にはスピーカ出力端子は貧弱で使いにくい。 電源出力コンセントは連動が3つ、非連動が1つ。連動の2つはパワーとチューナーが使用するので空きは1つづつ。(パワーには電源スイッチがない) また縦積み用にチューナー:プリ:パワーアンプを最短で接続するケーブルが付属していたらしい。


2WAYリニアフェイズスピーカ Fシリーズ
SB-F1
(写真左)、SB-F2(写真中央)、SB-F3(写真無し)
おまけ:小音量専用マイクロスピーカSB-F01(写真右)

おそらく世界初の完全アルミダイカスト製のエンクロージャをまとった密閉型ミニスピーカ。 コンサイスコンポとセットで有名になった。 初めてコンサイスコンポの音を聞いたとき、そのあまりに場違いなスケールの音に耳を疑った。 しかしコンサイスのフルセットは30万円をこえ、ガキくまの私には手の出る代物ではなかった。

このスピーカさえあれば、ウチにあるステレオもこんな風に鳴ってくれるかも知れない… そんなことを考えた人も多かったようだ。
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クォーツDDフルオートマチックプレーヤシステム SL-10
リニアトラッキングアーム
を採用してLPジャケットサイズを実現してたフルオートプレーヤ。

正確には初代コンサイスコンポのデビューには間に合わなかったが、思想・方向性的にはコンサイスの革新性に整合している。 '79年のコンサイスコンポラインアップ拡充仕様「コンサイス3D」にコンポーネントとして組み入れられた。

このSL-10を原器としてSL-15, SL-7, SL-6, SL-5などのバリエーションが作られた。

→詳細はSL-10のページへ


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