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サイズモジュール
Technicsの製品には伝統的に、製品寸法の元になる既存のモジュールが存在する。SU-CD50の場合はCDケースのサイズ。ケースとともに並べると筐体が同化するのがわかる。そのため筐体側面には通気口を設けず、冷却は下部より取り込んだ空気を後方に逃がすようになっている。
製品をよく見ると本体に比べてインシュレータが異様に大きく感じるが、これはアンバランス感をもって本体の小ささを印象づけるとともに、給気のための空間を確保するためでもあるのだ。
本機は、ポータブルCDプレーヤSL-XP5との組み合わせを前提としているが、このSL-XP5もまた「CDジャケットサイズ」であり、同時に「LPジャケットサイズ」の名器SL-10のミニチュアそのものだ。シルバータイプを見ればピンと来るはず。
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コントロール部
パワーONとともにディスプレイパネルに灯がともり少しハッとする。現在の音量、状態はLEDの点灯で示すシンプルなもの。
機能は手前から音量、左右バランス、CD入力、補助入力、テープモニタ、SuperBassのON/OFF、そして電源ボタンである。電源以外は電子式で、これらはリモコンで操作可能。
RecOUT/TapeINは時代の要求、逆にチューナ、Phono入力が省略されており、ヘッドホン出力も無い。ヘッドホン(あるいはチューナも)はCDプレーヤに付いているから要らないということか…? Phonoの切り捨てはアナログレコードとの決別を意味し、いさぎよさを感じる。
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内部構造
開けてビックリ、内部は驚きの実装密度! まるでAppleのPowerMac G4 Cube〜。 はっ、ひょっとして元祖Cube?
主な基板は4枚(ボタン基板を除く)で、正面から見て左が電源基板、右がコントロールアンプ部、上面がパワーアンプ部、正面に面しているのが、リモコン受光部やディスプレイを含んだ制御部と考えられる。 4枚の板に囲まれるようにして中心下部に電源トランスが鎮座する。 各基板はコネクタで結線されており、合理的なはめ込み構造でビスの数も驚くほど少ない。
背面の冷却ファンはSA-007Pと同じく大音量(10Wぐらいから)時のみ動作する。
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上面の基板を外したところ。心臓部のハイブリッドIC化されたパワーモジュール、そしてトランスやコンデンサもSA-007Pとほぼ同じ構成、…実装密度は限界に近い。 テクニクスの技術者がここまでして表現したかったものとはいったい何なのか?
〜このあと時代はバブルに突入し、オーディオセットは機能も見てくれも豪華に、そして音自身も装飾されてゆく。
小さな塊が大型スピーカを堂々とドライブしている様子に、驚きと面白さと、遊び心を感じる…そんなことに共感する人が少なくなり、凝縮のアンプの系譜はここに途絶えることとなったのかもしれない。
定格:●実効出力:40W+40W(1kHz,6Ω,EIAJ)
●全高調波歪率:0.009%(1kHz,定格出力-3dB時) ●周波数特性:5Hz〜100kHz(+0〜-3dB) ●SN比:85dB(EIAJ)
●外形寸法:126(w) x 127(H) x 185(D) mm ●重量:3.2kg ●電源:AC100V,50/60Hz●消費電力:67W●標準価格\50,000
(資料提供:Technics
File・ルーシェ様)
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